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予防接種とは

ここでは、予防接種の役割や種類、副反応が発生した際の救済などについての基礎知識を紹介します。

予防接種の役割

予防接種とは、病気に対する免疫機能をつけたり、免疫機能を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。ワクチンを接種した方が病気にかかることを予防したり、人に感染させてしまうことで社会に病気がまん延してしまうのを防ぐことを主な目的としています。また、病気にかかったとしても、ワクチンを接種していた方は重い症状になることを防げる場合があります。

● 予防接種の個人を守る役割

予防接種を受けるとその病気に対する免疫機能が強化され、受けた方の感染症の発症や、重症化を予防することができます。

● 予防接種の社会を守る役割

多くの人が予防接種を受けていると、集団の中に感染患者が出ても流行を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。これにより、予防接種を受けられない人たちを感染症から守ることができます。

予防接種に関するQ&A集 2023(一般社団法人 日本ワクチン産業協会)

予防接種の種類

予防接種には、国が法律で接種することを勧めている「定期接種」とそれ以外があります。

定期接種

法律で接種することが勧められているワクチンを定期接種と呼びます。集団予防、重篤な疾患の予防に重点を置き、本人(保護者)に予防接種を受けるように努める努力義務があるA類疾病という種類と、個人予防に重点を置いた努力義務のないB類疾病の2種類があります。
定期接種は決められた回数・間隔・年齢(時期)・場所で受けることで、公費負担(無料)で受けられることがあります(B類疾病のワクチンの一部は自己負担あり)。

*  状況(里帰り出産など)によってはほかの自治体でも定期予防接種を受けられることや、集団接種を行う自治体もあります。また、病気などで対象年齢に予防接種が受けられなかった場合は、病気が治ってから接種を受けられることもあります。

● 定期接種となる疾病一覧

A類疾病
  • Hib(ヒブ)感染症
  • 小児の肺炎球菌感染症
  • B型肝炎
  • 感染性胃腸炎(ロタウイルス)
  • ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオ
  • 結核
  • 麻しん、風しん
  • 水痘(みずぼうそう)
  • 日本脳炎
  • HPV感染症(子宮頸がん)
B類疾病
  • インフルエンザ(1)
  • 成人の肺炎球菌感染症(2)
  • 新型コロナウイルス感染症(3)

*1  以下の方々が定期接種の対象です。

  • ・65歳以上の方
  • ・60歳以上65歳未満の方で、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能
    又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害があり、日常生活が極度に制限される程度の障害を有する方

*2  以下の方々が定期接種の対象です。

  • 令和6年度からの対象者
  • ・65歳の方
  • ・60歳以上65歳未満の方で、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能
    又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害があり、日常生活が極度に制限される程度の障害を有する方

*3  以下の方々が定期接種の対象です。

  • 令和6年度からの対象者
  • ・65歳以上の方
  • ・60歳以上65歳未満の方で、心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能
    又はヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害があり、日常生活が極度に制限される程度の障害を有する方

任意接種

予防接種法には規定されていない場合や、定期接種のワクチンを対象年齢以外で受ける場合が任意接種となります。接種の費用は基本的に全額自己負担です。
接種費用は医療機関によって異なり、接種できる年齢や接種回数、摂取量はワクチンによって決まっています。

法定外接種または公費補助の任意接種

国が定めた基準から外れても、各自治体の定めた要件を満たす場合、無料もしくは少ない自己負担で接種が受けられる場合があります。これを法定外接種、または公費補助の任意接種といいます。① 定期接種のワクチンではあるが推奨年齢でない場合② 各自治体独自の事業によるもの通常は任意接種として全額自己負担になるところ、各区市町村で一部助成が受けられる場合があります。

● 任意接種となる疾病一覧(※は自治体によって公費助成あり)

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
黄熱
帯状疱疹
ジフテリア、百日せき、破傷風
インフルエンザ
A型肝炎
髄膜炎菌感染症
狂犬病
肺炎球菌
新型コロナウイルス感染症

など

予防接種で副反応による
健康被害が発生したら

薬では、本来目的にしている作用以外の作用は「副作用」と呼びますが、ワクチンでは副作用のことを「副反応」といいます。
ワクチンの接種後には副反応を生じることがあります。

健康被害が発生した場合の救済制度について

定期接種では、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方のための予防接種健康被害救済制度があります。任意接種も以下のような制度があります。

・定期接種: 予防接種健康被害救済制度

・任意接種:医薬品副作用被害救済制度(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

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